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機械加工2021年7月7日

ユンボのアームの穴修正およびバケットの取付け穴改造

機械加工,重機

ユンボなどの建設機械は負荷のかかる作業が多く、アームやバケットなどの軸となるピンや軸受けのブッシュなどは摩耗による交換が必要になる場面があります。

通常はピンやブッシュを交換するだけで作業は終わりますが、摩耗が大きい場合、ブッシュだけではなくアーム本体が摩耗してしまい、ブッシュ穴が変形してしまっている場合があります。

また、アームとバケットはそれぞれピン穴や幅などが決まっており、近しい形の物であってもピン穴と幅が一致しない限り取付けできませんが、異なる形状の物同士を取付けしたい場合もあるかと思います。

今回、お客様から当社にこのような依頼がありましたので、ご紹介させていただきます。

 

◆STEP①

まず、こちらは日立製のユンボのアームです。

写真の右端のバケットの取り付け穴には元々ブッシュが入っていたのですが、アーム本体側の穴が変形してしまうほどに摩耗しており、通常のブッシュ交換では修復できず、溶接肉盛による修正を行うこととなりました。

写真は、溶接後に本来の寸法に戻すため、横中ぐり盤による加工を行っている所です。

こちらは、この後ブッシュを圧入して、作業は終了です。

 

◆STEP②

バケット

続いて、こちらが先ほどのアームに取り付ける予定のバケットです。

元々は他のメーカーの機械に取り付いていたものだそうで、ピン穴の寸法も違いますし、アームやHリンクの収まる部分の内幅も広すぎるため、このままでは取り付けができません。

このため、ピン穴と内幅を調整するためのボスを製作し、取り付けることとなりました。

まずはバケット本体のピン穴を広げ、ボスを差し込むことができるようにします。

 

◆STEP③

続いて段付きのボスを製作し、内側から差し込みます。

こちらはHリンク側。

 

◆STEP④

続いてアーム側。

新たに取り付けたボスのつばの厚み分だけ、内幅が狭くなっています。

ピン穴も同時に変更可能です

 

◆FINISH

 

これで作業は完了です。

このアームがついていたユンボは、これまでよりも一回り大きなバケットを取り付けて、どこかの現場でこれまで以上に活躍してくれることでしょう。