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機械加工2023年5月24日

バケットの修理

 

これが何か、と言われて見たことのない方はほとんどおられないと思いますが、

ユンボやバックホーなどの重機で使われている、バケットになります。

小さな男の子たちの大好きな「はたらくくるま」を代表するような部品ではないでしょうか。

 

二年ほど前のことですが、写真で言うと上の方にある、本体に取り付ける

ピンの穴の改造についての記事を公開させていただきました。

 

弊社では横中ぐり盤などの機械があるため、こうした穴加工はもちろん得意としていますが、

それだけではなく、様々な溶接による修理も行っています。

 

今回作業させていただいた内容のまず一つ目は、

この写真にある、アダプターと呼ばれる部品の交換でした。

 

バケットの先端には地面などに食い込ませるための爪が取り付けられていますが、

これは消耗品のため、このアダプターに差し込む形で取り付けられている場合が多くあります。

とはいえ、このアダプター自体も長年使っていると摩耗してきて、爪にがたつきが出たり、

折れてしまったりすることがあります。

 

 

こちらが作業中の様子です。上の方に4枚ほど爪が取り付けられているのがわかると思いますが、

左端はぽっかり空いてしまっていると思います。

ここから取り外したのがこちらです。

 

元々しっかりバケット本体に溶接されているものですが、溶接をはがして、取り外してあります。

あとは、同じ場所に新しいアダプターを溶接します。

 

もちろん、現場での過酷な使用に耐えるように、がっちりと溶接することになりますが、

これは溶接職人の腕の見せ所です。

 

さて、今回の作業のもう一つは、バケットの外側の当て板の交換です。

 

地面に押し付けることによって固めたりなど、現場での作業の中で摩耗する部位ですので、

やはりこちらも交換できるような構造になっています。

 

今回の写真はすでに古い当板は取り除き、新しい鉄板を仮付けしているところですが、

左から二枚目はまだついていないので、少しはわかりやすいかと思います。

 

こちらは取り外した古い当板です。

頻繁に使用される部分は、かなり薄くなってしまっていますし、穴が開いてしまっている場所も

ありました。

 

 

当て板は既製品ではなく、取り外した古い鉄板を見本に製作したものなので、現物に合わせながら

本体にぴったりと密着するように、溝を入れたり、衝撃を与えたりと、なかなか手間のかかる作業

となります。

 

まだまだ北海道は肌寒い季節ですが、作業者は汗びっしょりです。

 

 

当て板を本体に密着させることができたら、いよいよ本付けです。

 

 

 

最後に、溶接のビートの凹凸を削ったら、完成となります。

 

弊社の機械加工工場というと旋盤やフライスなどを使用した機械加工や、

エンジン関連の内燃機加工のイメージが強いかと思いますが、このような修理も行っておりますので、

何かあればご相談いただければと思います。